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PAGE 3グチもいわずにかまぼこになる“グチ”

かまぼこの原料にする魚は味がよいのはもちろん、魚肉が白く、熱を加えると「こし」のある弾力、つまり、シコシコした歯応えのあるものが適しています。昔はタイやムツ、ハモなども使われていましたが、明治になって東シナ海での漁業がさかんになるにつれ、グチやエソが主原料になりました。

小田原でもそれまでは、オキギスを始め、トラギス、ムツ、イサキ、タカベ、アジ、カマスなど近海物を使っていましたが次第にグチへと移っていきました。そして、グチを原料にした小田原かまぼこは味の逸品として全国にその名を広めました。

現在、かまぼこには北洋のスケトウダラのスリ身が多く使われていますが、伝統の味を守るかごせいのかまぼこはグチで作られ、さすが小田原かまぼこという評価を保ちつづけています。